独立FPの独白ブログ

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お奨めのSF小説…と尋ねられたら

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)


私が少年の頃、初めて読んだSF小説はなんだったろうか。多分小学校の図書室から借りて読んだH・G・ウエルズの「タイムマシン」あたりではないかと思いますが、よく覚えていません。


中学時代には、友人の勧めで読みはじめた筒井康隆氏(当時はバリバリの新進気鋭のSF作家)の影響で小松左京星新一などから、「発狂した宇宙」のブラウンや、「10月はたそがれの月」のブラッドベリ、「レンズマン」シリーズのスミスなどを少しづつ読んではいたものですが、どちらかというとミステリ小説のほうに傾倒していったあげく、純粋なSF小説は長い間読まずに社会人になったように記憶しています。


そして、なんと40歳近くなってから(一気にタイムスリップ)急にSFの世界が懐かしくなり、買ってきたのが早川書房の「SFハンドブック」でした。 そのガイドブックには1989年にSFマガジンで発表された読者による人気投票の結果が掲載されており、オールタイムベストの栄えあるトップに選ばれていたのが、ハインライン大先生の「夏への扉」でした。 19○○年のベスト・・ではなく前年度のベスト1です。
筒井さん以外は暫くSFから遠ざかっていた私は、このオールタイムベスト1を迷わず買ってきたのですが、その結果はもちろん大満足、大正解でした。
こんなに面白い小説をこの年になるまで読まずにいたなんて、と本気で思いました。


どちらかというとP・K・ディックのような重く暗い未来SFは(映画は結構観ていますが)あまり得意でない私は、この大変明るく、しかし派手ではなく、抑制の効いた、しかもしゃれた雰囲気のこの小説が大好きになりました。
読後感もすてきでした。
最近地球上には暗い話題ばかり溢れているこのご時世に、久し振りに読み直そうかと思い出した小説なのです。 文句無くお奨めですね。