独立FPの独白ブログ

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さすが!澤上篤人氏のコメント

さわかみファンドの澤上氏が楽天のTBS株式取得戦略についてコメントしていましたが、さすが澤上氏と感心しました。さわかみファンド村上ファンドの違いは?という問いに答えて、

『 彼らは短期投資だがこちらは5年、10年の運用を視野に入れた長期投資。会社に利益を吐き出して配当しろというのは短期的には株主にプラスだとしても、設備投資など会社として将来への布石を打てなくなる恐れもある。私たちは短期利益追求の配当などに反対する株主提案をして議決権を行使する。』


一方、楽天が無断で株を大量取得したことをTBSが批判している態度については、
『 それなら株式を公開しないか、買われないように株価を高くしておけばよい、TBSの考え方は古いし、大企業間の株の持ち合いで安定を図ろうとするのは単なる企業防衛であって問題だ 』と一喝しています。


そもそも株式投資というのは企業が事業資金の調達手段として投資家を募ることなのであり、企業と投資家は持ちつ持たれつの関係であるはず。そうであれば基本的にはある程度の長期投資でなければならず、つまり互いにメリットのある「WIN−WIN関係」の仕組みです。短期的に利益を得て、次々との投資先を変えてゆくというのは、この株式投資という仕組みを利用した単なる自己完結の儲け仕事であり、場合によっては「WIN−LOSE」になる可能性が高いですね。


どんな世界にも応用ということはあって良いですが、私は基本的には「そもそも論者」なので、本来こうあるべきもの、という基本姿勢を忘れてしまった行為はどうも好きになれません。そういうことからも、最近巷で大いに盛り上がっているらしい株式デイトレイドや様々なマネーゲームの類は私としては(FPとして)関わりたくない世界です。


しかし、私は長期投資しか考えないが、こうした短期売買をする人が市場に存在することは大いに結構だと、色々な投資スタイルの存在を決して否定、批判しないところが、これまた澤上氏のマトモさを現していると思うのです。
老後資金の準備を少しでも始めようかと考えている方は、いちど澤上氏の本など読んでみては如何でしょうか。