独立FPの独白ブログ

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保険の見直し〜払い済み保険

今日の仕事は3件の既契約の見直しでした。 その内のおひとりは契約後13年が経過して子供さんも独立したことと、ご自身が来年定年となることから、保障額を減らしても良いので保険料負担を減らしたいという主旨でした。


現状の保障内容の確認と最新の商品情報のご提示の結果、払い済み保険への移行という形での見直しになりそうです。終身保障2000万円、保険料は65歳払いの契約なのですが、来年春頃に払い済み保険に移行すれば、保険料を支払うことなく約1500万円の終身保険として継続が可能です。 また現在約700万円の解約返戻金は、払い済み移行後も徐々に増額してゆくことになりますが、この解約返戻金は保障を減額することで部分的に受け取ることが可能です。


従ってこの方は、一生涯の死亡保障、高度障害保障、要介護状態での保障を確保し、かつ、解約返戻金の一部活用によって不測の事態への備え、老後資金対策の側面も加味されると言えます。


現時点で新たな保険に加入し直す選択肢もありますが、今回のケースでは払い済み移行をするのが最適です。実はこの払い済みというのは、その後のコスト負担がなくなり、それでも過去の有利な条件を温存でき、必要な保障を確保継続できる大変有効な見直し手段なのです。


しかしながら、この手続きをした場合に、保険会社には特にメリットがあるわけではなく、営業担当者にはなんの実入りもありません。保険を売る側にとっては保険料収入が減るだけのことなのです。このお客様は、儲からない話しで悪いねえと、なんとお茶をご馳走してくれたものです。


私のご案内した保険商品やその後のフォローが「良い買い物」と認識されたのだとすれば、新規契約や追加契約がなくても、長期的には大いにプラスになるはずです。何かの折に応援してくださったり、お客様をご紹介頂くかもしれません。そもそも、顧客にとってのメリットの最大化を追求することこそが我々の本来の使命であるはずです。


新規契約の獲得しか頭に無さそうな保険営業の世界は常に批判され続けています。
見直しと称してただ単に新商品を売りつけるだけの営業は後を絶ちませんが、この世界にも極めてまともな姿勢で頑張っている保険営業もある程度は存在するのです。そういう人達がひとりでも増えてゆき、そんなまっとうな営業が当たり前になることを願ってやみません。


今日はまずまず良い仕事ができました。


※念のため補足しますが、この事例の2000万円の終身保険とは、終身保険と定期保険の保障額を合わせて2000万円などというものではなく、2000万円の保障が一生涯続く純粋な終身保険のことです。